2017年2月6日月曜日

水温概算関数の導出

ど~も。

最近太ってきました、NaCです。


スーパーで鮮魚コーナーを見ていると、


魚のアラがよく安く売っているので、


つい買いこんでしまい、

アラ炊きを作ってしまいます。

結果食べ過ぎるという。。。




今回は、

水温概算関数の導出についてです。

かなり久しぶりに理系っぽくなっています笑





前回、


早見表のような何かを記事にして終わりましたが、

今回はその求め方です。


かなり理屈っぽい内容ですので、

軽く読み飛ばす程度でいいかと思います。







○ 水温概算関数の導出  



まずは基本的な考え方から。

水などの物質の温度上昇について考える時、


「比熱」または「熱容量」という概念を用います。


比熱とは記号 \(c\) で示されることの多く、


物質 1 g の温度を 1°C 上昇させるときに必要なエネルギー量で 単位はJ / g・K で表されます。(※1)


熱容量とは比熱に質量をかけた数値で、記号は \(C\) で表されることが多いです。

ある物質の温度を1°C 上昇させるのに必要なエネルギー量を表し、単位はJ / K で表されます。




水の場合、

比熱 \(c\) は、4.218 J / g・K なので、

1 g の水の温度を 1 K (= 1 °C) 上昇させるのに、

4.218 J 必要だということになります。



水に対してお湯を加えた場合、

お湯のもっているエネルギーが水に加わることによって温度が上昇すると考えます。


以上が基本的な考え方です。



※補足1

K はケルビンと読んで絶対温度の単位。

273 K = 0 °C

で、

絶対温度が1 K変化すると、

セルシウス温度の1 °C変化する。


単純に考えて、


セルシウス温度 (°C) + 273 = 絶対温度 (K)


となります。



○ 数値の定義と考え方  


実際に求める前に数値の定義と考え方を。



温度 \(t_{1}\) (°C)、体積 \(v_{1}\) (L) の水\(_{1}\)と


温度 \(t_{2}\) (°C)、体積 \(v_{2}\) (L) の水\(_{2}\)を


混合する場合を考えます。



水の比熱を \(c\) (J / g・K)、

水は1 mL = 1 g で換算します。


その場合、

水\(_{1}\)と水\(_{2}\)のエネルギー量 \(Q_{1}\) (J)、\(Q_{2}\) (J) は


\(Q_{1}=c \times (t_{1}+273) \times v_{1} \times 1000\)


\(Q_{2}=c \times (t_{2}+273) \times v_{2} \times 1000\)


となります。 (※2)



温度 \(t\) (°C) に "273" を足しているのは、

単位を °C から K に変換するため。


体積 \(v\) (L) に "1000" をかけているのは、

単位を L から mL = g に変換するためです。




さて、

水\(_{1}\)と水\(_{2}\)を混合したとき、

温度が何度になるかを考えます。




これは、

頭だけで考えると間違えやすいので、

図に書いて考えてみます。



こういう考え方を面積図といいます。


長方形の横の長さを体積、

縦の長さを (比熱×温度) とすると、

長方形の面積が水のもっているエネルギーになります。


図1 面積図での考え方 その1


または、


図2 面積図での考え方 その2



どちらの考え方でも同じ答えが得られますが、

図1のほうが計算が楽なので、

図1の考え方に基づいて解いていきます。


時間があって、暇で暇でしょうがない人は、

図2で解いてみてもいいかもしれません。



※補足2



物理化学的に精密に議論する場合、

物質が持っているエネルギーは内部エネルギーUによって定義されます。


\(\varDelta U=Q-W\)


この場合、

Q は物質に加えられた熱エネルギーを、

W は物質がした「仕事」を表します。


この物理学における「仕事」という概念がまたややこしいのですが、

簡潔にいうと、

物体が動いたりしてエネルギー消費した場合、

その物体は「仕事をした」といいます。

例えば、

半分くらいピストンを押し込んだ空の注射器を温めると、

空気の膨張によってピストンが押し出されます。

この場合、

注射器の中の空気はピストンを押すという「仕事」をしたと考えます。


物体に熱エネルギー等を与えた場合のエネルギー増加量は、

この仕事を加味しないといけないので、

(仕事をした分、エネルギーが減るため)


内部エネルギーという概念を導入し、


\(\varDelta U=Q-W\)


式が示す通り、

加えた熱エネルギー量から仕事分を引いたものをエネルギーの増加量としています。


今回の場合、

お湯を加えることによって水の体積はほとんど膨張しないので、

仕事は無視できるほど小さいとみなし、


\(W = 0\) 

と近似しています。


そのため、

加えた熱エネルギー量と内部エネルギー増加量が等しいとしています。




○ 水温概算関数の導出  


長くなってきましたがが最後まで行きます。


それでは、
水\(_{1}\)と水\(_{2}\)を混ぜ合わせたあとの水について、


水温 \(T\) (°C)、体積 \(V\) (L) とすると、




図1の考え方から、


\begin{align} c \times T&=\frac{\{c \times (t_{1}+273)-c \times (t_{2}+273)\} \times v_{1} \times 1000}{v_{1}\times 1000+v_{2}\times 1000}+c \times t_{2} \\ &=\frac{ct_{1}v_{1}-ct_{2}v_{2}}{v_{1}+v_{2}}+ct_{2} \\ &=\frac{ct_{1}v_{1}-ct_{2}v_{1}+ct_{2}v_{1}+ct_{2}v_{2}}{v_{1}+v_{2}}\\ &=\frac{ct_{1}v_{1}+ct_{2}v_{2}}{v_{1}+v_{2}} \end{align}



両辺、\(c\) で割ると、


\[ T=\frac{t_{1}v_{1}+t_{2}v_{2}}{v_{1}+v_{2}} \]
(1)



さて、

ここで、変数について確認しておきます。


今回の目的は、

水を「何°C」に合わせるためには、

お湯を「何 L」入れればいいのかを知りたいので、


水 \(_{1}\) をお湯とすると、

今回の関数の変数は、\(T\) と \(v_{1}\) となります。


ここで、

\(V = v_{1}+v_{2}\)


より、

\(v_{2}=V-v_{1}\)

(1) 式から \(v_{2}\) を消去すると、

\[ T=\frac{t_{1}v_{1}+t_{2}(V-v_{1})}{V} \]


これを\(v_{1}\) について解くと、


\begin{align} TV &=t_{1}v_{1}+t_{2}V-t_{2}v_{1} \\ (t_{1}-t_{2})v_{1} &=TV-t_{2}V \end{align} 
\[ v_{1}=\frac{V}{t_{1}-t_{2}}T-\frac{t_{2}V}{t_{1}-t_{2}} \]
(2)


すなわち、

x軸を\(T\) 、y軸を\(v_{1}\) とした場合、

傾きが\(\frac{V}{t_{1}-t_{2}}\)、y切片が\(\frac{t_{2}V}{t_{1}-t_{2}}\)の一次関数になります。


(2) 式だけみると結構複雑にみえますね。



水温4°C、20 L 作製する場合をグラフにしてみました。



水温概算関数 (4°C、20 L作製時)



Googleドライブで作ったのですが、

うまく貼り付けられなかったので画像で。



以上、


長くなりましたが理論編でした。


ご自分の水槽でも (2) 式に当てはめれば、

自分専用の値を知ることができます。




何か質問や間違いがあればご指摘お願いします。



○ 次回予告  


コケ取り部隊の活躍をご紹介

では~。




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※本日の蛇足※


HTMLに数式を表示させるには、

MathJaxを使用します。

オープンソースで比較的簡単に使用できますので、

興味がある人はいじってみると楽しいですよ。

1 件のコメント:

NaC (なっしー) さんのコメント...

スマホで閲覧する場合、数式が表示されないようですね。
申し訳ありませんが、Na.Cの知識では現時点で対応できませんので、
スマホユーザーの方でどうしても数式が気になる人は、パソコンでの閲覧をお願いしますm(__)m