2016年9月10日土曜日

ろ過槽の自作と改良 ~理論編~

ど~も。

11日より大相撲九州場所のチケット先行予約抽選開始ですね、NaCです。



このバイオ理系の水槽、


中身を見ると

アクアネタ 6割

相撲ネタ 3割

アニメネタ 1割

くらいの割合ですよね・・・?



アクアが好きでこのブログを訪れた人にとっては、

相撲の話とかどうでもよくて、

さっさと本題に入れよって思っていることはわかっているんですけど・・・



やっぱり好きなものは語りたいですよね(*゚▽゚*)


まぁだからこそブログを書いているわけでして。。。

仕方ないと思って付き合ってください。

できれば大相撲の魅力に目覚めて欲しいですが(。・ ω<)ゞてへぺろ♡


ともかく、



アクアも相撲もアニメもその他諸々もいろいろ発信していく

バイオ理系の水槽を今後共よろしくお願い申し上げます。


さて、

今回は宣言通りろ過槽の自作&改良のお話です。




ろ過槽についてですが、

NaCの水槽はろ材を用いた強制ろ過システムです。


サンゴもソフトコーラルや丈夫なLPSしかいないので、

いまのところ飼育できています。


しかし・・・

硝酸塩が下がらないよ~・゜・(ノД`)・゜・




○ 今までのろ過装置  



さて、

今までのろ過装置をさらします。

どれだけてきとーにしていたか、

恥ずかしい限りなのですが・・・


写真はないので図でどうぞ。


今までのろ過槽


このろ過槽にした経緯ですが、

好気条件(*)と嫌気条件(*)を上手く共存させたかったからです。

(仕切りとか作るのが面倒くさかったというのは否定できない)


* 好気条件: 酸素がある条件
* 嫌気条件; 酸素がない条件



上から水が落ちてくる場所およびエアレーションされている場所周辺では、

絶えず酸素を含んだ水が流れるため好気条件になりますが、

それら以外の場所は酸素の少ない嫌気条件になります。


好気条件ではアンモニアから硝酸への酸化反応が進み、

嫌気条件では硝酸から窒素への還元反応が進みます。



ろ過槽の好気条件と嫌気条件について



これがバランスよく進行し、

定期的に微量成分を足すだけで維持できる水槽になればいいなぁ

とか夢物語っていました。



しかし、

このろ過槽に重大な欠点がありました。



それは、


細菌が流出しやすい


ということです。


正確に表記すると、


細菌が付着した微粒子本水槽まで流出しやすい


です。


まずは、なぜ微粒子が流出しやすいか。



ここから先はNaCの考察になりますが・・・



なぜかというと、

様々な外的要因が「ろ材に影響を与えやすい」からです。



外的要因によるろ材からの細菌の流出



どういうことか。


例えば、

飼育水の蒸発などでろ過槽の水位が下がると、

ろ材が水面上に露出してしまう。


ろ過槽に直接足し水をした際、

ろ材に塩分濃度の差が直撃する。


など、


環境が変化した際、

ろ材 (およびろ材周辺の環境) に大きく影響が及び、

結果、ろ材から細菌または細菌が付着した微粒子が流出するのだと考えています。



細菌が流出すれば、

その中にはある一定の割合で病原菌もいたりするわけで、

結果本水槽内の魚が病気に感染したりするわけです。


最近が付着した粒子が流れ出た場合も同様、

水流ポンプや本水槽内の水流によって付着した最近がはがされ、

つまりは細菌が放出されたのと同じになります。



ビブリオ菌に感染した疑いのあるキイロハギ



うちのキイロハギが旅立たれたのは、

十中八九、ろ過槽からの病原菌の流出でしょう。




○ 新しいろ過槽の概略図  



さて、

新しいろ過槽の設計です。


強制ろ過の種類には、

三槽式とかなんとかあるかと思いますがたぶんそれです。



改良後のろ過槽



やっぱり、

メジャーな方法はちゃんとした理由を基に作られたのだなぁとか感じました。

(ナニイッテンダコイツ・・・?)


基本的に、

ろ材が入っている区画に与えられる影響がとても少なくなっています。


特に、この三槽式の場合、

微生物の代謝の結果かどうかわかりませんが、

ろ材から落ちてくる粒子が一槽目でトラップされ、

本水槽に入らないという点が優れていると思います。


また、

水槽の水が蒸発した場合でも、

推移に変化があるのは水流ポンプがある区画だけで、

ろ材が入っている区画には影響がないというのもよく考えれれていると思います。



三槽式ろ過槽による細菌の流出の低減



これで普通に飼育していれば、

ろ材によほどのことをしない限り大量の細菌の流出は防げるかと考えます。



[補足1]


さて、

上の「トラップ」というところについて、

もしかしたら誤解があるかもしれないのできちんと記述して置きますが、


トラップされ本水槽への流出をトラップされるのは「ろ材から出た微粒子のみ」であると考えています。


そもそも細菌などの原核生物は大きさが数 µm、

真核細菌や原生生物でも数十 µmなので、

一度ろ材から飼育水中に放出されれば殺菌灯がないかぎり確実に本水槽に入ります。

一度濁った泥水がなかなか澄まないのと同じです。

(細菌は泥の粒子よりも小さいので短時間では沈殿することはないです)


したがって、

大事なのは


ろ材に吸着している細菌をろ材から『はがして』飼育水で懸濁しないこと


です。


なので、

三槽式のろ過槽といえども、

ろ材へ直接影響を与えるような操作は避けたほうが良いかと考えています。




[補足2]


ろ材に外的要因を一切与えないからといって、

ろ材から菌が全く流出しないというのは微生物学の常識にあてはめるとありえないと思います。


直接確かめたわけではないのであくまでも推察ですが、

ろ材からは毎日一定数の細菌は本水槽内に流出しているのではないでしょうか。



○ 魚のトリートメントと感染 (Ver. NaC)  



ろ過槽から話はそれますが、しばしお付き合いください。


それではなぜ飼育している魚は常に病気にならないのか。


それは飼育魚の免疫力が強く (または飼育を通じて強くなったことで)、


ろ過槽より流出してくる「ある一定数の菌」では感染しないか、

感染しても症状が出ない (不顕性感染) か、


という状況になっているのだと考えています。



新しく加える魚を、

GFGなどでトリートメントさせるのは、

新らしい生体を加えたことによる病気の発生を防ぐということにおいて、

非常に大事であるかと思いますが、


これについて細かく見ると、


先住魚が免疫を持っていない新しい病原体の持ち込みによる先住魚への感染を防ぐとともに、


新参魚の免疫力を上げることでろ過槽から流出してくる細菌による感染を防ぐ


という違いがあるのではないでしょうか。



トリートメントによる病原体の感染防止の詳細


水槽に新しい生体を入れたことで先住魚に病気が発生したとき、

もしかしたら先住魚が免疫 (正確に言うと抗体) を持っていない新しいタイプの病原体 (抗原) が持ち込まれたのかもしれません。


ウイルスは比較的遺伝子に変異が入りやすいため、

同じウイルスでも抗体が効かないことも考えられます。

(リムフォシス病はRNAウイルスが原因なので大いに可能性があります)


単に持ち込まれたことにより絶対的な菌数が増え、

結果、顕性感染にいたったのかもしれません。


逆に新参魚については、

トリートメント中に体力を向上させることで、

本水槽内の細菌に対する免疫力 (正確に言うと非特異免疫) を向上させ、

特異免疫 (抗体) ができるまで耐えさせる、

というのがこのトリートメントの意義ではないでしょうか。


なのでここでしっかり餌付けをして体力 (免疫力) を向上させることが重要だと考えます。



こんな考察をしてみましたがいかがでしょう?

ご意見およびディスカッションお待ちしておりますヽ(・∀・)ノ




○ まとめると・・・  




ろ材はむやみにいじるな!!!!



ってことですかね。





○ 次回予告  



考えたこととかいろいろ書いていたら長くなってしまいました。

このまま作業内容とか書くととてつもなく長くなりそうなので、

前後編に分割します。


次回は実際に使った器具や作業、作成方法について書いていきます。


では~。


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※補足という名の蛇足コーナー※

かつてない真面目な文章とその量に、

書いた自分がドン引きしました。

2 件のコメント:

あくあ12 さんのコメント...

こんにちは

一応、全部読みました。

そして思ったのですが・・・

浮遊物が気になるのでしたら、
小型でもいいのでスキマーをつけると
より効率良いのではないでせうか?

なんか事情があったりして不可能だーとか、
でしたらスイマセン。

なつき さんのコメント...

匿名 あくあ12 さんは書きました...
こんにちは

あくあ12さん

コメントありがとうございます。

>一応、全部読みました。

こんな与太話、読んでいただいて恐縮です。
あくあ12さんにこんな話とか、釈迦に説法もいいところです・・・。

>そして思ったのですが・・・

>浮遊物が気になるのでしたら、
小型でもいいのでスキマーをつけると
より効率良いのではないでせうか?


アドバイスありがとうございます。
一応なんちゃってスキマーはつけておりますが、
効率は悪そうなのでなんとも。

結局言いたかったのはろ材いじったのがキイロハギさんを死なせてしまった原因だったのかなぁと思ったということなのです。

なのでろ材に影響を与えにくいシステムにしたと。
まぁ、改良してすらのシステムがスタンダードだったってのは私の横着が原因なのですが。

実は、ろ材からの浮遊物の殺菌には、アルミホイルを丸めたものを使っています。
主婦の知恵か何かで、
アルミホイル丸めたのをシンクの排水口のところに置いとくと、
滑り防止ができるというのを見て試してみました。
効果はわかりませんが、いまのところ病気なしできてます。

ちなみに、アルミニウムは非常に反応性が高い金属で、
空気に暴露するとすぐに空気中の酸素と結び付き酸化アルミニウムに変化します。
アルミニウム表面上のアルミのみが酸化アルミニウムに変化し、
酸化アルミニウムの薄い膜ができるためアルミホイルは非常に頑丈に物質になるわけです。

さらにちなみに、
酸化アルミニウムは通称アルミナと言われ、
あくあ12さんがご存知のとおり、リン酸の吸着効果があります。


話が脱線してすみません。。。


>なんか事情があったりして不可能だーとか、
でしたらスイマセン。


ろ過槽が狭いので、ろ過槽に設置できないというのが問題ですね。
やっぱり一番は、
魚に栄養を行き渡らせて免疫力をつけることなのかなぁと
最近はそのように考えています。